樋の内部
SONY DSC-RX0
ZWISS Tessar T*
f:4 1/50 ISO2000 −1.3EV
8mm(24mm/35mm換算)
撮影地:大阪府大阪狭山市
池尻中2丁目
大阪府立狭山池博物館
最近の流行なのか、狭山池博
物館でも特別展示資料以外の
撮影が認められている。こう
やって保存展示されているも
のが少しでも多くの来客(研
究者は勿論のこと)に追記録
され、未来に残されてゆけば
と、社寺など個人所有の宝物
を見る度に思ってしまう。20
19年の災厄のように焼けてし
まえば何も残らないのだから
、欧米の美術館のように重要
なものは近接検知装置、防犯
システムでカバーし、日本の
ように硝子で仕切るのではな
く、オープンな展示で撮影が
許される理想の形がそろそろ
実現されてもいいのではない
かと思った2019年であった。
狭山池博物館 水庭
SONY DSC-RX0
ZWISS Tessar T*
f:4 1/160 ISO125 −1.3EV
8mm(24mm/35mm換算)
撮影地:大阪府大阪狭山市
池尻中2丁目
大阪府立狭山池博物館
日本最古のため池といわれる
狭山池に関わった土木技術と
考古学の融合博物館として狭
山池畔に建てられた大阪府立
狭山池博物館。設計は府立近
つ飛鳥博物館などの設計で知
られる安藤忠雄氏。ポストモ
ダンの旗手による斬新な建築
は見るものにとって、何らか
の意味があるんだろうけれど
博物館にそこまでするのか?
と思わせるに値するオブジェ
感満載の建築である。顔とな
る中庭「水庭」を眺めつつ、
エレベータで1階に降り、廊
下と階段で受け付けのある2
階に上がる構造はバリアフリ
ーに逆行できる?最後の時代
の「遺構」。窓のない無機質
な直方体の箱のような展示施
設は、地層断面の観察をしな
がら堤体の切り身を回りこみ
過去の時代に遡る手法で、巨
大な堤体遺構を保存する立体
的展示のための「装置」。で
は館内に建造物の嫌がる水を
貯える広い水庭の存在、防水
や経年劣化による雨漏り対策
は?千年を越える遺構に対し
、現代建築の挑戦を感じさせ
られる不思議な箱物である。
狭山池を望む
SONY DSC-RX0
ZWISS Tessar T*
f:4 1/800 ISO125 −0.3EV
8mm(24mm/35mm換算)
撮影地:大阪府大阪狭山市
大字岩室
考古学的調査によって、行基が
作ったのではなく、遡ること1
世紀余り前の7世紀初めの築造
が明らかとなっている。地層断
面の精査により行基が行った補
修規模は2000㎥程度とみられ、
当初の小規模な堤体上に盛り土
を施す程度であったようだ。行
基の施工の約30年後、狭山池の
堤は大規模な破堤が生じ、新た
に8300人規模の動員を得て、大
規模な肉付け改修がなされてい
る。そしてそれ以後も多くの土
木技術者たちによって、堤は改
修され巨大化し現在につながっ
ている。その過程は堰堤下の大
阪府立狭山池博物館で、無料で
目の当たりにすることができる
。財布の紐の固い、関西人に
とってありがたい施設である。
或るお宅にて
SONY DSC-RX0
ZWISS Tessar T*
f:4 1/320 ISO125 −0.7EV
8mm(24mm/35mm換算)
撮影地:大阪府大阪狭山市
狭山3丁目
昔を忍ばせる狭山の家並み。それ
も年月の間に歯抜けとなり、更地
が洋菓子のような新しい建売に代
わるのは時の必定。集落のかかり
に街道をはさんで屋敷と倉庫が建
つ旧家は、とあるジャンルの学問
を今日の隆盛に導いた大学者が生
まれ育ちお迎えを頂いたお家。も
っとも亡くなったのは畳の上では
なく病院でしたが。ある種の学徒
間では来阪の折、この地を訪問す
るのが巡礼行脚のひとつとか?関
西に居る者からすれば、はぁ〜、
てなものですが。その家に近付くと・・・
狭山池への道
SONY DSC-RX0
ZWISS Tessar T*
f:4 1/400 ISO125 −0.7EV
8mm(24mm/35mm換算)
撮影地:大阪府大阪狭山市
狭山3丁目
その昔、狭山遊園前と名乗っていた
南海高野線の大阪狭山市駅で電車を
降り、踏切を渡って北西に伸びる一
本道を歩きました。泣き出すような
鼠色の空の下、目指すは人生2度目
約30年ぶりとなる狭山池の畔です。
国道を渡り、曲がりくねった「後北
条氏の城下町」の入口(江戸時代、
この地には北条早雲の末裔が領主と
して陣屋を構えていました)で時間
が止まったような感覚にとらわれま
した。昔そのままの景色に。